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全州国際映画祭で絶賛の話題作!

2014年最強のインディペンデント日本映画はこれだ!

 

小学校4年生の和也は、母の死をきっかけに顔も知らない父親に会いたいと願う。決意は強く、母が働いていたストリップ劇場に行くために蒲田から横浜まで徒歩で向かう。道中で出会う、子供たち、大人たち、見たことの無い風景、初めての経験である強烈な飢えと渇き。立ち塞がる過酷な現実に翻弄され、〝愛〟と〝希望〟を探し求める少年の孤独。

 

『ショートホープ』は2014年第15回全州国際映画祭インターナショナルコンベンション部門に正式出品され外国メディアに賞賛された。森田芳光監督や阪本順治監督らに助監督として師事し、現場で知識を学び、数々の経験を積んだ堀口正樹の第一回監督作品である。自ら脚本も執筆し、満を持して監督デビュー作へ挑戦した。少年が現実社会に飛び込み、大人と同じ立場で接することを強いられる初めての経験。〝愛される〟ことばかり願う利己主義が氾濫する現代社会において〝愛する〟尊さを今一度省みる。日本インディペンデント映画に新しい少年映画の傑作が誕生した。

 

ストリッパーを母に持つ、小学4年生の児島和也は里子に出されていた。しかし里親に待望の男の子が産まれ、愛情は実子に注がれ和也は居場所を失った。そんな折、実母の訃報が舞い込む。独りぼっちになった和也は生きる場所=希望を求めてまだ見ぬ父親を探す旅に出る。母親のヒモであった良輔から得た僅かな手掛かりを頼りに、かつて母親と暮らし生きた場所、横浜フランス座へと向かう。電車賃すら無く蒲田から横浜までの道のりをひたすら歩く。容赦なく照りつける真夏の太陽と、期待していたものとはまるで違う現実が和也の行く手に待ち構えていた。道中で出会った知的で病弱なホームレス、寂れたストリップ小屋の主人、父親の恋人だった女…、ままならない日々を生きる大人たち。そして、ようやく父親と対面することが叶うのだが…。

 

人が生きて行く上で、永遠のテーマである〝愛〟。いったい〝愛〟とは何だろうか? 主人公の少年 和也は離れて暮らす実母、見たことも無い父親、里親家族という自身の経験から、ぼんやりと〝愛〟のイメージを描いていた。更に、様々な状況に生きる大人たちに出会うことによって、〝愛〟についてより考え始める。そして、決定的な実父との出会い。結果的に、少年は何を失くし、何を掴んだのだろうか? 本作は東日本大震災〝311〟以降の2012年に堀口監督自らが執筆したオリジナル脚本である。あの日以来、〝生死〟の間に境界線はなく、 〝死〟が〝生〟の側に入り込んできた、と監督が語るように〝311〟が与えた影響は大きい。最たるものは実母であるジプシーの〝死〟である。本作の根底には彼女の死が始終横たわっているが、〝死〟と〝生〟の間にこそ揺るぎない〝愛〟と〝絆〟が存在するのだと提示してみせる。

 

生きているのか? 死んでいるのか? 曖昧に生き惑う大人たちにとって、和也の存在そのものが〝希望〟に見える。過酷な現実に傷つき翻弄されつつも、成長し変化していく和也の胸に去来する〝愛〟や〝希望〟。最後のショットに映る少年の今後に思いを馳せた時、観客の胸に自らの来し方と未来、そして〝愛〟、〝希望〟、〝絆〟の形が立ち上がってくるだろう。

 

脚本・監督の堀口正樹は、『失楽園』『39刑法第三十九条』『黒い家』などの森田芳光監督作品、『トカレフ』『愚か者 傷だらけの天使』などの阪本順治監督作品、その他作品に助監督として就き、研鑽を積んだ。そして、2012年に脚本を執筆、自ら応援してくれる人々から資金を集め、2013年に映画『ショートホープ』を完成させた。

2014年5月に開催された第15回全州国際映画祭で見事にインターナショナルコンペティション部門に選ばれ、映画に対する鋭い感性や細やかな人物描写が賞賛された。極力削ぎ落とされたセリフ、静かに淡々と流れる物語、効果的に入りこむ自然音。劇中にほとんど音楽を使用していないにもかかわらず、驚嘆すべきは各シーンが呼応して劇的なリズム=ビートを感じられることである。そうした映画を語り展開して行く上でのテクニックと、脚本に映し込んだ思いが情感へと変わり、見事に映像として溶け合い収斂させる柔軟かつ剛腕は次回作、そして将来が楽しみな才能である。

 

出演陣はフレッシュなキャストと、ベテランが競演し見事なアンサンブルを生んでいる。主役の児島和也役に初主演となる竜跳。『コドモ警察』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『KILLERS/キラーズ』などで活躍。孤独な少年が戸惑いながらも成長していく過程を見事に好演。スクリーンに映える鋭い眼差しは、その眼力に誰もがドキッとするであろう。成長が期待できる楽しみな俳優である。ジプシーのヒモである良輔には鳥羽潤。『僕は勉強ができない』で鮮烈な俳優デビューを飾り、日本アカデミー賞 新人賞、おおさか映画祭 新人賞などを獲得、『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』ではキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞受賞。様々な作品にヴァラエティに富んだ役柄で出演、本作でも新たな魅力を披露している。水沢マリ役は中村麻美がクールに好演。『ファザーファッカー』で4000人の中から選ばれて銀幕デビュー以来活躍を続けている。

 

和也の実父 米田利一には芹沢礼多。阪本順治監督作『鉄拳』で俳優デビュー後、阪本監督作には欠かせない存在として活躍。和也の担任教師、笹野亜由美役に『波』の小林麻子。知的なホームレス末吉役に『武士の家計簿』の佐藤恒治。ストリップ小屋の優しい主人、丸山繁則役は、岸部一徳。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『死の棘』で日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞、キネマ旬報主演男優賞など受賞、今や日本の名優の地位を確立している。様々な年代の個性あふれる俳優たちの演技は、この映画に清新な息吹を与えている。 スタッフには、新時代を担うスペシャリストが結集している。撮影に、第一回撮影担当作品『天使の卵』が三浦賞を受賞、ADFEST2012 最優秀賞受賞作『Time spent together』の中澤正行。音楽に『バルカンへ~from Tokyo to the Morava river』のOtoji+Ray。そしてプロデューサーに、『月と嘘と殺人』など自ら脚本・監督としても活躍、『バカバカンス』。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011―国際長編コンペティション出品作『スピニングカイト』など数々のインディペンデント映画を世に送り出した高橋正弥らが共闘し『ショートホープ』が誕生した。